大判例

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東京高等裁判所 昭和35年(う)876号 判決

被告人 鈴木正寿

〔抄 録〕

よつて案ずるに、原判決認定の判示冒頭の点並びに第一の事実は、その挙示する関係証拠により優にこれを肯認することができるのであつて、右挙示の証拠を綜合すれば、原判示のように原判示建物収去土地明渡請求事件繋属中被告人が金槌及び長さ一尺五寸位の角棒を携え長崎映画劇場玄関に現われ、玄関脇の入場券売場に居た従業員長沢君恵に君子出てこい殺してやる等と叫び、生命身体に危害を加えるような気勢を示して脅迫したことが認められる。所論は、右長沢君恵が殺してやる等被告人が叫んだことを聞いていないから、脅迫罪に必要な害悪の通知がなく脅迫罪は成立しないと主張するが、脅迫罪に於ける害悪の通知は、直接相手方に対し通告すると他人を介し通告するとを区別せざること判例(大正八年五月二十六日大審院宣告八一輯刑一〇三四二頁参照)の示すところで、原審証人長沢君恵、当審証人長沢君恵の各証言によれば、右事項についても、長沢君恵は当時右映画館玄関に出て行つた支配人川部弘之からこれを聞き知つたことが明らかであるから、右事項についても脅迫罪の成立すること論を俟たない。

(山田 滝沢 鈴木良)

註 本件は量刑不当で破棄

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